いつの時代も変わらない成果のメカニズム「節に中る」とは?

ファシリテーション小学校|節に中る 仕事・ビジネス

「なぜ、あの人はいつも成果を出し続けているのか」

そう感じる上司や同僚と、誰しも出会ったことがあると思います。

成果を出し続けている人は「成果のメカニズム」を知っています。

やり方は変わったとしても、変わらない本質を掴んで生きているのだと思います。

現代は、「VUCAの時代」と呼ばれる不確実で変化の多い時代と言われていますが、時代が変化していく中で、変わらない本質、ルールが存在します。

本記事では時代が変わっても変わらない普遍的なルール、成果のメカニズムについてご紹介します。

いつの時代も変わらない成果のメカニズム

成果のメカニズムとは、世の中の理やルール、原理原則といった意味で、時代が変わっても変わらない普遍的なルールです。

「春夏秋冬」は、季節は流れ、変化していきますが、春が来たら、次は夏が来る、秋が過ぎれば、冬が訪れる、と言う順番は変わりません。その普遍的なルールを捉えながら、行動することが重要です。

ルールを明確に掴み、ルールに従い行動することで、より効果的な成果に繋げていくことができます。

また、アインシュタインは下記のように述べています。

ゲームのルールを知ることが大事だ。

そして、ルールを学んだあとは、誰よりも上手にプレイをするだけだ。

(アルベルト・アインシュタイン)

人生にもルールがあるとすると、人生のルールをまずは知ることが重要です。

そのルールを知った上で、人生のゲームをプレイすれば、必ず上手くいくはずです。

今回は、成果のメカニズムの中で、「節に中る」ことの重要性について述べたいと思います。

「節に中る」とは?

「節に中る」とは、中国の古典「四書五経」の『中庸』と言う経典に言葉があります。

『中庸』とは

中庸とは、中国の古典「四書五経」の『中庸』という書物のことで、「極端にかたよりがない状態」といった意味の言葉で使われます。

中庸の「中」は「偏りがない状態」、すなわち真ん中にあるバランスがとれた状態を指します。「庸」は「凡庸・普通」という意味があります。

儒教の中で最も重要な概念である中庸には「その場における最善の選択」という意味も込められており、極端に偏りがなくバランスのとれた最善の選択のことを「中庸」といいます。

『中庸』の一節に下記のように「節に中る」を説明しています。

「節に中る」

「喜怒哀楽の未だ発せざる、之を中と謂ふ。発して皆な節に中る、之を和と謂ふ。」

<意味>

喜怒哀楽などの感情が発生する前の平穏な状態、それを「中」という。感情が起こったとしても、

喜怒哀楽がみな然るべき「節度」に適っている状態、それを「和」という。

それでは、「節」とはなんでしょうか?

「節」とは

「季節」の節、「節分」の節など、節目やタイミングを意味する言葉です。

『孫子』の一節の中に、以下のような言葉があります。

『孫子』

天を知り、地を知れば、すなわち勝、窮まらず

 (気候やタイミングと、戦いの地形を知るならば、常に勝利はものにできる)

この天と地がすなわち「節」と捉えるとわかりやすいと思います。

また、王様の「王」という意味には、下記のような意味があります。

「王」の一番上の線が「天」、一番下の線が「地」、そして、真ん中の線が「人」という意味があり、真ん中に縦1本の線を引くと「王」という漢字が出来上がります。

「王」とは「天地人」の真ん中に1本の線を引くことで「王」として国を治めることができると考えられていました。

「天」とはすなわち「天の時」、「地」とは、すなわち「地の利」のことを指します。

「天の時」とは

「天の時」とは「変えられない時の流れ」です。時代の流れ、人の気持ちなど、変えられないことなので、見極めて受け入れることが重要です。

そして、天の時には、「方向性×段階」があります。

方向性とは、今、どんな方向に向かっているのか?どんな流れなのか?ということを捉えることです。現代では、「DX化」や「地球環境の問題」「ダイバーシティ」「多様性」の流れなどがあります。

段階とは、4つの流れで基本的に表すことができます。4つの流れとは、四季(春夏秋冬)の4つの段階です。人生や製品サイクルも一緒の流れを辿ります。

  • 春:(混沌)ものごとが動き始める気配があり、「種まき」をする段階
  • 夏:(成長)ものごとが伸びやかに成長し、見極め、「育てる」段階
  • 秋:(成熟)ものごとが熟しており、適宜「収穫する」段階
  • 冬:(衰退):ものごとが衰退に向かい、次に向かい「整える」段階

この4つの流れの中で、今、どの「段階」なのかを見極めることが重要です。

「地の利」とは

地の利は、「天の時」すなわち「時の流れ」に影響を受けます。しかし、時の流れを読むことができれば、ある程度準備でき、ある範囲で「変えられるもの」になります。

「天の時」によって、自分自身の環境が良くなったり、悪くなったりするのが、「地の利」の性質です。

地の利とは自身の環境の優位性とも表現できます。

地の利:自身の環境の優位性

  • 有形資産:カネ・商品・土 地・建物・環境・ 水源など
  • 無形資産:知識・経験・人 脈・顧客・スキルなど
  • 競合数:似たような有形・ 無形資産を持つ存在の数

「節に中る」とは、天の時と地の利を見極め、 いかに適応していくか、ということです。変えられないことを見極め、変えられることにフォーカスし、適応していくことが「節に中る」ということになります。

さらに、「中る」について深めてみましょう。

「中る」とは

「節に中る」の「中る」はまさに「王」という字が参考になります。

天と地の間に横棒が1本が「人」

天と地と人の横棒の真ん中に縦棒が1本、これが「中」という意味になります。

また、この横軸と縦軸を下図のように表すと、「十」のマトリックスができます。

図のように、「十」の真ん中が「中る」(0,0:0ポイント)状態といえます。

人は誰しも偏った見方で物事を見ている

例えば、下図のような軸で物事を見た場合

  • 縦軸:「ポジティブ」と「ネガティブ」
  • 横軸:「考える力」と「行動力」

「ポジティブで行動力のある人」「ポジティブで考える力がある人」「ネガティブで行動力がある人」「ネガティブで考える力がある人」と大きく分けることができますが、人それぞれの座標を持っています。

そして、自分の座標を中心(0,0:0ポイント)と捉え、物事を見ることが多いと思います。

例えば、座標では(10,10)のポイントにいるにも関わらず、自分の物事の見方、考え方に囚われ、それが常識であると思いがちです。

個性とは「人は固まる性」で「個性」となります。ついつい、人は「偏った」ものの見方、考え方をしています。

大事なことは、自分自身がどこの座標(ポイント)にいるのか?を理解し、自分自身は偏っていることを自覚すること。

そして、「中」のポイントがどこにあるのかを見極めることが「節に中る」ことに繋がります。

従って、「節に中る」とは、自身を「中」に修めながら、「天の時」と「地の利」を見極め、いかに適応していくか、ということになります。

まさに、自分自身を「中庸・中立」に修めながら、時の流れを見極めながら、自分自身を変化させ適応していくことが肝要だということです。

まとめ

今回は、『中庸』の一節になる「節に中る」という重要な観点を例に上げながら、成果のメカニズムについて解説しました。

多くの経営者やビジネスパーソンに中国の古典が読み継がれているのは、時代が変わっても変わらない本質が古典にはあるからだと思います。「節に中る」ということがまさに、VUCAの時代においても、重要な要素になり、中庸のあり方がこれからの時代において、求められているのだと感じます。

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星崎 剛士
星崎 剛士

この記事を書いた人

様々な企業の経営者が集まり学びを深める天神塾にて10年以上に渡って進行を務めているファシリテーションの専門家。そのスキルを活かし、アルバイト面接から入った企業で、わずか1年後に役員になるなど成果が起こるメカニズムを体現する。

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